2013年11月4日月曜日

オホーツク社会福祉セミナー(2013/9/28開催)


9月28日、オホー ツク社会福祉セミナーが開催され、社会福祉法人登別千寿会特別養護老人ホーム緑風園 菊地雅洋総合施設長より「人を語らずして介 護を語るな~誰かの赤い花になるために〜」 と題してご講演頂いた。介護施設、介護サービス事業に従事する職員の責任とは「人生の最晩年期に関わるという責任」「誰かの人生の幸福度に決定的な影響を及ぼしかねないという責任」であると話され、氏の提唱する 「介護現場の割れ窓理論」を解説された。割れた窓を放置しておくと割られる窓が増え建物全体が荒廃していく。介護現場の割れ窓は言葉である。言葉遣いの些細な乱れが施設という密室の中で誰からも注意を受けずにいると徐々に感覚を麻痺させ、それが態度となって表れ、やがて不適切な対応に繋がる。丁寧語で話すと堅苦しくなり親しみ易さを持て なくなるという意見もあるが、それはコミュニケーション能力の問題。日本語は世界一ボキャブラリーの豊富な言語なのだから、丁寧語を使っていてもいくらでも親しみ易さを表現できる。言葉遣いを乱す言い訳にしないでほしい。難しいことを実践するのではなく、当たり前の暮らしとは 何かを問い続けることが介護の本質。当たり前のことを考えられなくなってしまう支援者によって、介護を必要 とする人々の暮らしは 守られなくなってしまう。


「介護現場の常識 が世間の非常識」とな らないようにしなけれ ばならない。利用者様に適切なケアを提供することは、利用者様自 身の幸せのみならず、 その場に居合わせた配 偶者やご子息、その話を聞いた人達にまで幸 せを広げることができる。「介護という仕事 は幸せを無限に広げら れる可能性のある素晴らしい職業であることを誇りに思ってください」と締め括られた。
(佐瀬 さん)

道東3地区支部合同研修会「つどい」(2013/8/31開催)


8月31日、道東3地区支部合同研修会「つどい」が津別町の北海道でてこいランドにて開催されました。実は私、3年前にもでてこいランドでの「つどい」に参加させていただいて、2回目のでてこいランド・・・ナビを使ってもたどり着けない!!近くの博物館のような建物でお聞きしところ、「さっきもそんな人来たよ!」と。救われた気持ちになりました。 おかげさまで無事にたどり着きまして、「つどい」の始まりです。まずは一般社団法人釧路社会的企業想像協議会副代表の櫛部武俊様より『貧困対策を考える~生活困窮の様々な要因と必要な支援~』をテーマに現在の生活困窮者に関する取り組みや現状等を実体験と織り交ぜながら講義して頂きました。力強い櫛部様のお話、言葉の端々からこれまでこの問題に真摯に向き合って来られたことが伝わってきます。グループワークでも皆さんがそれぞれ生活保護に関わって気づいた課題について論議し、あっという間に時間は過ぎます。

そして、夜。有志の方による、お手製のご馳走たちが所狭しと並びます。どれも絶品。中には津別のB級(いやA級?)グルメの辛焼きそばなるものも。もちろんお手製でこれまた美味しいんです。楽しい交流会、夢ふうせんさんからは温泉の素が発売されるなんて話題も・・・。幅広い取り組みに感銘したり、花火をしたり有意義な時間を過ごさせて頂きました。感想として、私事ですが現在北海道被災生活保護受給者生活再建サポーターとして
活動させて頂いており、今後も北海道の生活困窮者支援委員として活動していく予定となっております。実は今回の講義を食い入るように聞いておりました。私自身がオホーツクの資源の一部としてお役に立てるよう精進していきたいと改めて感じました。「つどい」開 催にあたりご尽力された皆様 に感謝いたします。ありがとうございました。
(佐藤さん)



会員学習会「地域生活定着支援について~矯正施設のソーシャルワークと「特別調整」~」(2013/4/20開催)

 オホーツク地区支部では、4月20日(土)会員学習会と地区支部全体会を行いました。
 会員学習会では、網走刑務所で社会福祉士として勤務している山田恵里子氏を講師に招き「地域生活定着支援について~矯正施設のソーシャルワークと「特別調整」~」をテーマに講話していただきました。
 
 「特別調整」とは、平成21年度(北海道では平成22年度)から開始され、高齢または障害により自立が困難な矯正施設収容者に対する社会復帰支援です。満期釈放により社会に出た出所者は、必ずしも帰る場所があるとは限りません。このような身元引き受け先がなく、何らかの障がいを持っているために社会復帰が独力では困難な方に対して、『福祉』の視点からの支援を社会福祉士が行っているということを学びました。
 「これまでの犯罪歴だけを見るとさまざまな罪を犯してきた犯罪者としてしか見えてこないが、ソーシャルワークの視点でその方を捉えるとさまざまな生きづらさを抱えていた。さまざまな支援者が関わりながら適切な支援がなされることで、その方が持つ生きづらさを解消していくことが可能である」ということを学ぶことができ、今後私たちが理解を深めながら連携を図ることが、特別調整の支援の定着に繋がると感じました。(大谷)